HOME:BACK
林田カイロプラクティック院

林田カイロプラクティック院



『天とつながるあなたにしてくれるスピリチュアルリーダー』


「心と体の悩み解消プロジェクト」特別取材班『天とつながるあなたにしてくれるスピリチュアルリーダー』は、ヒーラーやチャネラー、気功師など日本全国のスピリチュアルリーダーを取材し、紹介した書籍である。

タイトルに「天とつながる」とあるが、特定の宗教思想を示すものではない。人間を超越した力を意味している。人によっては仏陀であったり、天照大神であったり、イエス・キリストであったり、宇宙意思であったりする。一つの考え方を唯一絶対とする偏狭な思想ではない。様々なスピリチュアルリーダーの取材者として有意義な姿勢である。

スピリチュアル系に対しては「そのようなものは信じない」という考え方がある。それは一つの考え方であるが、科学の権威を盲目的に信奉する科学信奉者も一つのカルトである(林田力「科学信奉者への反感」PJニュース2010年11月13日)。

紹介されたスピリチュアルリーダーは皆、魅力的な人々である。中でも白澤伯典先生に興味を覚えた。先生は福島県郡山市で居住・活動している。福島第一原発事故後は「放射性物質の影響を受けないよう気のパワーを入れてほしい」などの依頼が増えているという。先生は「震災後に精神的、肉体的にかなりまいってしまった人が多かったので、その方々が元気になれるようサポートしてきました」と語る(49頁)。

これこそ本物のスピリチュアルリーダーである。残念なことに福島原発事故後に放射能の危険性デマを撒き散らす放射脳が横行している。福島県、さらには関東地方に居住する人々を愚か者呼ばわりするような品性下劣な自称自主避難者もいる。

その自称自主避難は惨めな生活を抜け出すリセット願望を叶えたいだけの夜逃げが実態である例も少なくない。そして自分達の自主避難という選択が間違っていたことを認めたくないために、福島県や関東地方が放射能で人の住めない土地ということにしたいだけである。

しかも悪質なことに放射脳は悪徳商法と結び付いている。不安を煽り、安物のガイガーカウンターを売り付け、または自主避難を勧めて瑕疵物件しかないという劣悪なゼロゼロ物件に住まわせる。

スピリチュアル界にも放射脳に加担する人が多い。そのために放射脳とカルトが一緒に批判される。その中で福島県に腰を据えて活動する先生のような存在は意味がある。本書が指摘するように「心強い」ものである(49頁)。先生が不安を煽って法外な料金を要求する偽物を厳しく糾弾することは自然である(54頁)。

伊藤友良先生はメールの代筆も行っている。「メールの返事が来ない」との相談を受けて、相談者のメールを確認したところ、日本語のレベルさえ怪しいもので返事が来ないことも納得であった。相手から返事が来るようなメール文章の代筆やアドバイスを行い、それが評判になった。

手紙などと比べるとメールは楽に出せる。だからと言って乱暴な文章で送って相手に理解させようとすることは愚か者のすることである(林田力「電子メールの同期性と非同期性(下)」PJニュース2010年12月17日)。本書が指摘するように「メールは相手への気遣いが重要である」(115頁)。

本書には相談者の体験談も収録されている。本書の性格上、成功例で占められること当然であるが、解決の方向性が興味深い。職場の人間関係の悩みを抱えた人の相談事例が複数掲載されている。上司がイヤな人間である、職場イジメを受けているなどである。どちらの相談者も相談後にイヤな上司や同僚が辞めるか異動してしまったことでハッピーになった(60頁、75頁)。嫌な人間は消えてもらうことが幸せになる道となる。

スピリチュアルへの懸念として頑張ることを美徳とするような特殊日本的精神論と結び付きやすいことである。焼け野原から経済大国にするような前に進むだけのガンバリズムである。特殊日本的精神論では嫌な人間でも、過去の嫌な仕打ちを水に流して関係改善すべきとなりがちである。

しかし、それは相談者を一層苦しめることになる。三上美子先生も「強くなれとか、自立しなさいといっても限界があります」と語る(87頁)。人間関係の改善ではなく、嫌な人間が目の前から消えたことを成功体験談と紹介する本書は特殊日本的精神論に汚染されていない。

滋賀県大津市の中学生自殺事件を契機にイジメ問題への関心が高まっている。そこには子どもを持つ親の不安だけでなく、学生時代のイジメによる心の傷を負った人々や今も職場イジメを受けている人々の怒りが結合したためである。

しかし、北本いじめ自殺裁判(平成19年(ワ)第2491号損害賠償請求事件)の東京地裁判決がイジメを一方的継続的ではないとしたように公の世界はピント外れである。本書が紹介する本物のスピリチュアルリーダーが社会のリーダーになれば人間を不幸にするシステムとまで酷評された日本社会も少しは人間らしくなると感じた。(林田力)